去年の7月に訪れた黄河源流青いけしの旅の記録をまとめました。
同人誌「海棠」(主催者及川とも)に年一度の青いけしの旅の旅行記を発表しています。印刷ができ上がるまであと少しかかりますが、先取りで読んでいただけたらと思います。
今回は原稿を書いている途中にチベット騒動や中国地震が起きてしまいました。それらにも触れた旅行記となっております。
一度に長い文章はきついと思いますので、何回かにわけてupします。
真夏に雪!
いよいよ期待のバヤンカラ山に向かう朝、真っ青な空がまぶしい。
町の食堂で地元の人たちと同じ肉まんと揚げパンの朝食をとってそのまま出発。
町を出てしばらく行くと星星湖という湖が点在する平原を走った。道の両側に点在する大小の湖は美しくはあるが、さほど気にも留めずにぼんやりと眺めてやり過ごした。
「星宿海への道」(宮本輝著、幻冬舎刊)を最近読んだ。黄河源流にあるという星宿海にあこがれた少年の話だ。伝説によれば巨大なひょうたんの形をした湖の口の部分から、黄河に豊かな水を流し続けているという。著者はこれを実際には「無数の青い湖が星のように散らばっている」と表現している。
この星宿海こそぼんやり眺めていた星星湖ではないか。宮本輝氏はここを訪れたのだろうと思う。
「無数の湖が星のように散らばっている」から星星湖。このイマジネーションが欠けていた自分に腹が立った。
トイレタイムの場から雪山が見えた。
「アムネマチン山ではないよね」とつぶやきながら車に戻る。
と、S女史が「まいったな〜」
大場先生は「うん、うん」
やがてその意味がわかった。
どんどん雪山が迫ってくる。目指すバヤンカラ山は見事に雪化粧していた。
4824mのバヤンカラ峠では真っ白な斜面にカラフルなタルチョが鮮やかにはためいていた。
多いところは5cmほどもあろうか。気温はさほど低くないのでいったん雪のない場所まで下っていった。
真っ白な雪山をバックにキンポウゲ科の花で埋まっている草原での撮影タイムと昼食を済ませた。
1時過ぎに峠に戻ってみると雪はすっかり消えていた。
タルチョのまわりでは数名のチベット族の男達が、5cm四方位のお経がすり込まれた赤や青の紙の束を放り上げながらお祈りをしていた。
彼らにとってバヤンカラ峠もまた神聖な場所なのだ。
我々は神聖な峠を挟んで、両側になだらかな斜面を見せている山を登っていく。
ゆっくり、ゆっくり、、、。
幻の雪蓮と青いけしを求めて。
足下には黄色や白のサキシフラガ、アザミの仲間、ペディキュラリスなど踏みつけてしまうほど小さな花が咲いている。メコノプシス・フォリドゥラさえも身を小さくして環境に適応している。
「あった〜!こっち〜!」
という声に人垣からのぞいてみると白い綿毛をまとった10cmほどの虚無僧のかぶり物のような雪蓮が2株並んでいた。
Saussurea medusaeという。メドウサの髪のように葉先が渦を巻いていた。雪蓮も種類が多い。
雪蓮は薬草として珍重されている。チベット族のドライバーは帰りの車の中でうれしそうにあの2株の雪蓮を見せてくれた。
車中のだれもが物言いたげな顔でドライバーと雪蓮を眺めていた。
帰りに立ち寄った草原の片隅できれいに咲きそろった青いけしを数株見つけた。
出発時には青空に太陽がまぶしい夏の景色だったのに、冬に突入
雪に覆われたキンポウゲの仲間も黄色い顔をのぞかせた
雪蓮Saussurea medusae
漢方薬として重宝されている
このあとドライバーが取ってしまった
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sanenbana at 2008-06-19 16:42
すっかりご無沙汰してすみません。
写真とエッセー、とても感動的でした。
何しろそこに立ち会った人にしか書けない文章や写真は、何ものにも替えがたい実感がありますものね。
本になるのが楽しみです。
写真とエッセー、とても感動的でした。
何しろそこに立ち会った人にしか書けない文章や写真は、何ものにも替えがたい実感がありますものね。
本になるのが楽しみです。
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aoikesi at 2008-06-19 16:45
星宿海はもっと黄河上流の鄂陵湖、扎陵湖の西らしいです。星星海は瑪多の黄河第一橋を渡りすぐ右手に見える湖ともう少し先の黒河の湿原地帯も星星海と呼ばれるようになってるみたい。
星宿海は行って見たいところなので、昨年は候補地の一つだったのですが、夏場はアクセスが難しいようで断念しました。でも花がすごいらしいです。行って見たーい!!
星宿海は行って見たいところなので、昨年は候補地の一つだったのですが、夏場はアクセスが難しいようで断念しました。でも花がすごいらしいです。行って見たーい!!
写真とエッセイがとても素敵で感動しました、青いけしの旅の素敵な本が
出来上がりますね、ご成功をお祈りいたします。(^・^)
出来上がりますね、ご成功をお祈りいたします。(^・^)
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aoikesi at 2008-06-20 08:28
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aoikesi at 2008-06-20 08:30
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shiromati
at 2008-06-20 15:58
x
ちょっと時間があり一気に1から5まで読ませていただきました。
気候の変動の凄さに驚きです。
天気予報なんて出来ないですよね。
同人誌「海棠」(主催者及川ともさん・・・お元気ですか?)
完成が楽しみですね。
気候の変動の凄さに驚きです。
天気予報なんて出来ないですよね。
同人誌「海棠」(主催者及川ともさん・・・お元気ですか?)
完成が楽しみですね。
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aoikesi at 2008-06-20 17:25
by aoikesi
| 2008-06-19 11:08
| 中国青海省
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Comments(8)