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メコノプシス・ベトニキフォリア

ひとくくりにヒマラヤの青いけしといえば、この種をさしています。
100年近く前に活躍したイギリスのプラントハンター、キングドン・ウォードが東チベットで採取し、自国に持ち込んだのが青いけし、メコノプシス・ベトニキフォリアです。
園芸熱が盛んなイギリスでもてはやされた青いけしは、やがて全世界に広まっていきます。
日本では1990年の大阪花博に展示されて一気にファンを増やしました。

青いけしに興味を持ち始めた頃、「青いけしの国」という本を読みました。(もう数十年も前のことです)著者がこのキングドン・ウォードです。
翻訳物の読みにくさに途中でギプアップしましたが、、、。

2004年6月17日出発「キングドン・ウォードの歩いた道」東チベットフラワーウオッチングの旅
というタイトルのツアーが発売されました。
ガイドは吉田外司夫氏。彼は長年ヒマラヤの奥地に分け入って植物を調査してきた写真家です。この年「ヒマラヤ植物大百科」を出版し、その記念ツアーでした。
青いけしを見尽くしておられる(?)吉田氏がガイドでは期待はより高まります。

メコノプシス・ベトニキフォリアの多くは春の空のような明るいブルーが魅力の多年草です。
標高3000m以上という比較的低い場所に咲きます。
高さは60〜100cmになり、1茎に複数の花を咲かせます。花は10cm前後のうつむいたカップ型です。
自分で栽培したことがあります。(色が薄くて失敗でした)
2003年に行くつもりだったのに、サーズ騒動で中止になった因縁の花でもあります。

このときつぼみだったケシと高山病で見に行けなかったケシを見るために、翌年の2006年に再び東チベットの土を踏みました。テント泊がなかったのがなによりでした。


2005年6月21日撮影
水はけがいい湿った場所を好むようです。

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2005年6月20日撮影
3800mの地にテントを張っていると青いけしを背負った現地人がやってきました。
薬になるとか。(麻薬ではありません。麻薬のケシは全然別ですから)
我々に買ってもらいたかったのか、見せたかったのか。
明日観察に行く方向から来たようです。ショック!!

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2005年6月21日撮影
またしても、、、!
今日の観察会は絶望的。
(案の定、吉田氏がかき分けるほどあるから、と太鼓判を押していた場所ではほとんどみられませんでした)



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2006年7月6日撮影、再び訪れた地で。
時期が遅いので実ができています。


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2001年7月20日撮影、中国雲南省にて。
これを撮影した時点では種が分かりませんでした。
のちにベトニキフォリアであると教えていただきました。
ベトニキフォリアが一番最初に発見されたのが雲南省であるということです。
すなわちこちらが本場、ということになるかな。

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メコノプシス・シンプリキフォリア


回を重ねた青いけし追っかけの旅、7回目の2005年は体力的に無理かと思っていた東チベットを選びました。
標高3650mのクンガ空港にいきなり下ろされるチベットは、高山病に弱い私には自信がありませんでした。この2年前に行ったアムネマチン山麓の旅が自信につながったのです。高山病に有効だという薬のおかげです。
クンガ空港から1時間のラサに1泊し、5020mのミーラー峠も問題なく通過しました。
このときの一番の目的はテント泊をしてイギリスのプラントハンター、キングドン・ウオードの足跡をたどるというもの。
が、私にとっての最大の目的は日本でも園芸種として栽培されているメコノプシス・ベトニキフォリアを見ること。アクシデントはありましたが、この目的は大満足で達成されました。このいきさつは後ほど。
苦手なテント泊も終わり、帰り足に標高4515mのセチラ峠でフラワーウオッチングをしました。3泊のテント生活で体力を消耗していた私はみんなについて行けません。
一人車のそばで待っていたとき、「青いけしがあるよ〜〜!」
100mくらい行った先に咲いているらしい。
這うようにしてやっとたどり着いて目にしたケシがメコノプシス・シンプリキフォリアでした。
名前の通りシンプルでやさしげな姿。
枝分かれせずに1本の茎に1個の花がうつむいて咲いていました。
色は淡いブルーでほんのりピンクがさしていて、丸みがかった花びらが乙女(古い?)チックです。
茎や葉を覆っている毛もさわって痛いというほどではありません。
夢中でシャッターを押し続けました。
気がつけばそばに現地のガイドが付き添っているだけで私ひとり。他のみんなはさらに遠くに見える50cmくらいに伸びたレウム・ノビレ(タデ科の温室植物)を目指していました。
私にはここまでくるだけで精一杯、ひとりとぼとぼと車に戻ったものでした。
1時間ほど待ってやっと戻ってきた仲間からもう1種類のケシがあったと聞かされてショックを受けたのは言うまでもありません。
翌2006年に再び同じ東チベットを訪れました。
前年より2週間遅い出発でテント泊はなし。
見そびれたケシとつぼみだった別のケシを見るためです。
思いがけずにシンプリキフォリアに2カ所でまた出会えたのです。
セチラ峠には濃紅紫色の珍しい固体がありました。
この年はみんなと一緒に行動できました。


メコノプシス・シンプリキフォリア
2005年6月23日撮影
セチラ峠4515mにて。
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ガレ場に点々と数本が。
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2006年7月8日撮影
標高4000m弱の草原にて、近くにはチベット族の住居がありました。
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セチラ峠にて。珍しい色。
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メコノプシス・フォリドゥラ

青いけしの代表は何と言ってもこれ。
鋭いトゲに守られた透き通るようなブルーの花びら。
メコノプシス・フォリドゥラのブルーは秋空の澄んだ青色。きりりと引き締まって頼もしささえ感じる青い色です。
もう一つの魅力は環境によって微妙に色を変えること。
(これはメコノプシス・フォリドゥラに限ったことではありませんが)
ブルーから紅紫色まで美しいカラーバリエーションを楽しませてくれます。
トゲの鋭さもメコノプシス類の中でピカイチ。
うっかりさわったものならヒーヒーとした痛さに飛び上がってしまいます。
4100m以上の岩場やガレ場という劣悪な環境の高山で生き延びるための知恵でもあるのでしょう。
鋭いトゲは吹き付ける強風に耐えながら少ない水分を取り込む役目を。
澄んだブルーの花びら、金色の雌しべ雄しべは少ない昆虫をおびき寄せるため。
青いけしの多くは一回稔生、すなわち花が咲けば枯れてしまうということです。
メコノプシス・フォリドゥラもそう。
芽が出てから何年で花が咲くかは分かりませんが、より困難な生き方を選んでしまった彼ら。
新記録を達成するために苦しいトレーニングを重ねるスポーツ選手やより高い山を征服する登山家、、、。彼らには栄誉という輝かしい勲章が与えられます。
地球の一員として孤高な一生を送るメコノプシス・フォリドゥラ。彼らの勲章は何なんでしょう。
日本で栽培することは不可能なこの花を見るために、チベットや中国の奥地に足を運ぶ理由はこのあたりにあるのかも。


2006年7月7日、東チベットミーラー峠5020m
強い風に耐えて咲いていた。(高さ10cm、花の大きさ7、8cm)

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やっと開いたばかりで花びらが伸びきっていない
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2002年7月14日、青海省アムネマチン山麓4300m
高さ10〜18cm、花の大きさ7、8cm
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お花畑の中でも目立つ存在
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点々と咲いている
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2007年7月27日青海省バヤンカラ峠4800m
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この年は青いけしの不作の年と思われる
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つぼみもかわいい
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透ける花びらから金色の蕊を
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小さな固体
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青いけしは花糸まで真っ青
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紅紫色の、、、
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7月28日
黄河源流、青いけしのふるさと青海省ともいよいよお別れです。

ホテルの窓から共和の町並みを(郊外風景)
赤土の山が多いせいか屋根も赤い瓦葺きが目立つ
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手入れされた鉢植えの花が好印象
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隣の広場で太極拳をやっていました。腕前は???
青海省ではあまり盛んではないようでした。

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まだ高原の雰囲気の中でトイレタイム。
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日月峠を越えて、、、。やがて高速道路に入りました。

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高速道路を猛スピードで走る車から
まだできたての高速道路に慣れていないせいか、時折、耕耘機や人間が横断していました。

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西寧の町に入り、昼食場所へ向かう途中で。
お店のかわいい看板娘、入ってみたかったけど一時ストップしただけ。
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豊富な果物、ブドウが特においしそうでした。
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空港近くから見た西寧の中心部あたり
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空港駐車場で見たお坊さんたち
チベット自治区では羽振りを利かせている???。
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上海に1泊して日本に帰りました。
夕食に訪れた旧市街、ネオンが華やか。
駐車場からレストランに向かうとき、光るロ−ラースケートで近づいてきた10代の少年。
上海のガイドなにかささいていました。
「物売りですか」と聞いたら「ドラッグ、、、。」とガイドが。
腐敗した中国の一部をかいま見た思いがしました。
観光地を訪れるときは十分注意してください。
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上海のホテルから。この繁栄の陰に中国はおろか世界が対応しきれない様々な問題がかくれているような気がします。
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長い間青海省、黄河源流青いけしの旅におつきあいくださいましてありがとうございました。
さて、来年の青いけしの旅まで10ヶ月もあって、、、、。
いろいろ工夫を凝らしながら、このブログを続けていきますのでこれからもよろしくお願いします。
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黄河源流青いけしの旅もまもなく終わりです。
ここでちょっと一休み。
この旅の途中で出会ったチベット族の女性をきりえにしました。
5日付の朝日新聞、宮城版に掲載済みです。

この女性は8月22日にupしています。
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新聞掲載
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あられ道を抜け出すと車は快調に突き進んで行きます。なにせ道路が舗装されて格段によくなっていますから。あられがウソのような青空になりました。

遠くヒツジの群れを見ながら
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車がパンク、旅も終盤になると車も悲鳴をあげはじめるようで。
パンク修理はあっという間に終わり。
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温泉を過ぎた先にも青いけしの群落があるはずでした。が、道路工事で見事に掘り起こされていました。群落の場所すら確認できないほどの変わりようです。車の量のグンと増えているようです。数本見える青いけしが確認できても車を泊められる状態ではありませんでした。
やっととまれる所を見つけてフラワーウオッチング。
でも花はほとんどなくて、青海省特有のマメ科の群落がありました。

にょきにょきと立っている姿がこっけい。
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近寄るとこんな形。鋭いとげ、花は咲いていない。
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今まで見たことのないペデキュラリス、ファーのような鼻飾りが面白い

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グリーンのビロードのようなステップ台地を下って行きます。
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標高が少し低くなったらミツバチ屋さんが目立つようになって、とあるテントの前でストップ。
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しぼったばかりの蜂蜜を網で漉してポリ容器に入れます。
2、5リッターで50元(800円)
私は購入した人に750mlのペットボトル1本いただきました。
かすかに菜の花の香りがするさらっとした蜂蜜です。

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ミツバチ屋からこれから行く先を。
真っ平らな道が永久に続くのではないかと思いたくなる。
あまりにも単調な道なので、ドライバーさんを眠くさせないために話しかけたり(言葉は通じないけど)強烈なのど飴をあげたり。
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この日の宿泊地、共和につきました。
これまでの砂漠とはうって変わって、共和の入り口からオアシスのような緑が続いていました。

ホテルはなかなかの高級感があります。
ホテルの向かい側の公的な建物。屋根の飾りを、、、。


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庭木として植えられていたシダレニレ
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ドライバーさんや西寧のガイド張さんたちと最後の晩餐
お世話になりました。
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行きに給油した花石峡あたりから雲行きがあやしくなってきました。
峠にさしかかって標高が高くなったらあられが降り出しました。
ばらばらとたたきつけるあられに、あっという間に道路が真っ白。あたりの景色も真っ白。

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スリップがこわい(ツルツルのタイヤが多い)なんて話していたらカーブの先に長い渋滞が、、、。
トラックがスリップして坂を上れないでいるらしい。

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発泡スチロールのクッション材みたいなあられ
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白い山肌をナキウサギがちょろちょろと行ったり来たり。(小さくて見えません)
渋滞待ちのたいくつがまぎれました。
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スリップしたトラックはまわりの車の協力で案外早く脱出、我々も一安心。
車窓の景色を眺めながら温泉へ。
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温泉という地名通り温泉が湧いているらしいが、施設はありません。
ここの宿泊所は汚い、と評判が悪い。
5年前に泊まる予定でしたが、アクシデントが幸い(?)して泊まらずに済んだ地。
ここで昼食。
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5年前にも食べた面片という麺料理。6元、約80円(ピンボケ)
おいしくてほとんど完食。
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