人気ブログランキング | 話題のタグを見る

青いけし物語

メコノプシス・フォリドゥラ

青いけしの代表は何と言ってもこれ。
鋭いトゲに守られた透き通るようなブルーの花びら。
メコノプシス・フォリドゥラのブルーは秋空の澄んだ青色。きりりと引き締まって頼もしささえ感じる青い色です。
もう一つの魅力は環境によって微妙に色を変えること。
(これはメコノプシス・フォリドゥラに限ったことではありませんが)
ブルーから紅紫色まで美しいカラーバリエーションを楽しませてくれます。
トゲの鋭さもメコノプシス類の中でピカイチ。
うっかりさわったものならヒーヒーとした痛さに飛び上がってしまいます。
4100m以上の岩場やガレ場という劣悪な環境の高山で生き延びるための知恵でもあるのでしょう。
鋭いトゲは吹き付ける強風に耐えながら少ない水分を取り込む役目を。
澄んだブルーの花びら、金色の雌しべ雄しべは少ない昆虫をおびき寄せるため。
青いけしの多くは一回稔生、すなわち花が咲けば枯れてしまうということです。
メコノプシス・フォリドゥラもそう。
芽が出てから何年で花が咲くかは分かりませんが、より困難な生き方を選んでしまった彼ら。
新記録を達成するために苦しいトレーニングを重ねるスポーツ選手やより高い山を征服する登山家、、、。彼らには栄誉という輝かしい勲章が与えられます。
地球の一員として孤高な一生を送るメコノプシス・フォリドゥラ。彼らの勲章は何なんでしょう。
日本で栽培することは不可能なこの花を見るために、チベットや中国の奥地に足を運ぶ理由はこのあたりにあるのかも。


2006年7月7日、東チベットミーラー峠5020m
強い風に耐えて咲いていた。(高さ10cm、花の大きさ7、8cm)

青いけし物語_f0115214_10465173.jpg

やっと開いたばかりで花びらが伸びきっていない
青いけし物語_f0115214_10471077.jpg


2002年7月14日、青海省アムネマチン山麓4300m
高さ10〜18cm、花の大きさ7、8cm
青いけし物語_f0115214_1053686.jpg

お花畑の中でも目立つ存在
青いけし物語_f0115214_10532540.jpg

点々と咲いている
青いけし物語_f0115214_10534291.jpg

青いけし物語_f0115214_1054897.jpg


2007年7月27日青海省バヤンカラ峠4800m
青いけし物語_f0115214_10591181.jpg

青いけし物語_f0115214_10593115.jpg

この年は青いけしの不作の年と思われる
青いけし物語_f0115214_10594765.jpg

つぼみもかわいい
青いけし物語_f0115214_110518.jpg

透ける花びらから金色の蕊を
青いけし物語_f0115214_1124678.jpg

小さな固体
青いけし物語_f0115214_114485.jpg

青いけしは花糸まで真っ青
青いけし物語_f0115214_1144718.jpg

青いけし物語_f0115214_115269.jpg

紅紫色の、、、
青いけし物語_f0115214_11955.jpg

Commented by koinobori4s at 2007-09-14 12:32
こんにちは~♪
知りませんでした。青いケシが一回稔生とは・・・
富士山よりも高い場所でこれほど見事な花を咲かせ一生を終える花だとは思いもしませんでした・・・貴女が魅せられたのも頷けます。
「素晴らしい!!」一言です。この素晴らしさを是非とも我ブログ友人達に
も知らせたい、この素敵な写真を見せてあげたい!!そう思わずにはいられなくて・・・わたしの花のブログにリンクを貼らせて下さいね。
よろしくお願いいたします。(事後承諾になりすみませんm(__)m)
http://plaza.rakuten.co.jp/naeko06/
Commented by aoikesi at 2007-09-14 12:32
koinobori4sさん
ありがとう。
リンクもよろしくお願いします。
高山病に悩まされながら毎年ノコノコ出かけています。

Commented by mie417 at 2007-09-14 19:46
Aoikesiさん、先ほどはいらして頂き、ありがとうございました。
素晴らしい幻の青いケシの花、びっくりいたしました。
魅了される気持ちが判るような気がいたします。
素敵な画像をありがとう・・・・。
リンクいただきました。
今後ともよろしくお願いいたします。
Commented by sanenbana at 2007-09-14 21:08
今年の追っかけ記、とても感動しながら読ませていただきました。aoikesiさんが追っかけたくなる気持ちがよく伝わってきました。みているこちらも旅をしているみたいでしたよ~。ありがとうございました。
Commented by shiromati at 2007-09-15 08:59 x
メコノプシス・フォリドゥラ さん。目頭があつくなりました。
この環境でこの美しさ・・・。
人は顔の表情で生き方や性格が判ってしまいますが
メコノプシス・フォリドゥラさんに学ぶべきものが沢山ありますね。
自力で生きていくってこういう事なんですね。
Commented by aoikesi at 2007-09-15 09:59
mie417さん
これからもよろしくね。
私もこれからも伺います。
Commented by aoikesi at 2007-09-15 10:01
sanenbanaさん
最後までありがとう。
デジカメのおかげで旅の様子が仔細に記録できるので旅行記も書きやすいですね。もう記憶にのみ頼ることはできないから、、、、。
Commented by aoikesi at 2007-09-15 10:09
shiromatiさん
あの過酷な環境になぜ花が?
と行くたび思います。昆虫をおびき寄せるためライバルの少ない高地にどんどん進出して行ったらしいですが、そのためにトゲや青い花びらを工夫して行ったのでしょうね。
植物も動物も鳥類も姿、色などにちゃんとした理由があるんです。
深いなあ、、、、。
Commented by sanenbana at 2007-09-15 10:59 x
上から3番目の写真を、うちのブログで紹介させてもらってもいいかしら。あんまりきれいなので、みなさんにも見てほしくなりましたので。
Commented by aoikesi at 2007-09-15 11:55
sanenbanaさん
どうぞどうぞお使いください。
恥ずかしながら、私はネット上の写真の取り込み方を知らないんですわ。トホホ、、、。
Commented by gigen_t at 2007-09-16 10:45
今日は、 孤高の花、なるが故の気高さは 充分に感じ取れます。     つまらぬ、野暮な質問、 一般的には ケシ と言うと マヤク を連想してしまいますが、勿論 全ての種ではないのでしょうが、 これは お構い無しのもの ? なのですか、
Commented by sacchon-happy at 2007-09-16 17:18
コメントありがとうございました。
青いケシ、過酷な環境下で懸命に咲くからでしょうか、
とても魅力的ですね。
日本ではみられないのですね。
良いものをみせてもらいました。
↓の写真たちも、見たことのない景色ばかりで、
いつか行きたいって思いました。
そのためにもいろいろとがんばろ~っと。
Commented by aoikesi at 2007-09-17 08:34
gigenさん
誤解を解かなくちゃ。
麻薬が採れるケシとは種が違うんですよ。
これはメコノプシスといって「けしもどき」と訳されています。
例えばヒナゲシやポピーといわれるものもケシです。こちらはパパベルの仲間になります。
アジアのどこかに観光で行くと鉢植えにされたアヘンのとれるケシを見せてもらえるようです。
Commented by aoikesi at 2007-09-17 08:37
sacchon-happyさん
行きたいと思い続けていると、いろんな条件がそろって、願いは必ずかなうものです。
がんばってね。
Commented by howdygoto2 at 2007-09-17 09:20
おはようございます。
今年の旅も青いけしの花に出会えてよかったですね。
この青、とっても綺麗で怪しい色ですね。
やっぱり綺麗な花には棘があるんですね。
Commented by aoikesi at 2007-09-17 11:12
howdygoto2さん
忙しいのにありがとう。
この青、、惹かれますねえ。
Commented by gigen_t at 2007-09-17 22:13
 そうですか、当方は、 ケシ と言うと ○○の一つ覚えで、 以後 改めます。
Commented by aoikesi at 2007-09-18 14:18
はい、よろしくお願いします。
少しでも青いけしの汚名を晴らして行かなくちゃ、と思っています。
Commented by gigen_t at 2007-09-18 15:30
 そうですね。 「アオイケシ」 は わが子同然 ですものね。
名前
URL
削除用パスワード
by aoikesi | 2007-09-14 11:14 | M・ホリドゥラ | Comments(19)